各ライブ配信アプリの収入事情は?どのアプリが稼げる?
ライブ配信アプリはスマホ1つでリアルタイムでライブ配信を行えるアプリを指しています。顔出し配信はもちろんのこと、音声によるラジオ配信やゲーム実況配信、自身をアバターとするバーチャル配信など豊富な配信スタイルは各ライブ配信アプリごとに異なります。
コロナ禍によってリアルライブは減少する一方でしたがライブ配信は画面越しで楽しむことができるため需要は年々高まっています。有名人によるライブ配信を皮切りに広く親しまれ現在では一般人がライバー(配信者)としてライブ配信を始めることも珍しくありません。
中国のライブ配信関連の市場は300億ドル(約3兆9,000億円)まで急成長を果たす一方で新たな31項目の規制を設けるなどが2022年6月に報じられています。日本も同様に2021年には前年比約2倍の314億円と急成長を見せていることから一般人だけではなく企業も注目している市場です。
ライブ配信で稼ぎたい方や副業として始められる方もいることでしょう。今回は各ライブ配信アプリの収入事情を解説していきます。
ライブ配信アプリの収入事情
ライブ配信アプリはリスナー(視聴者)による投げ銭と呼ばれる課金が還元されライバーの収益として受け取ることができます。収益対象が投げ銭のみの場合もあればファンクラブを開設し月額課金によるサブスクリプション機能や時給制度が採用されている場合もあります。
基本的にリスナーによるライバーへの課金やライブ配信の盛り上がり(コメント数や視聴者数、投げ銭)によって換金できるアプリ内ポイントが運営の独自の算出方法によって配分されます。
ライブ配信アプリによって収益対象の機能は異なり、ライバーの配信スタイルによっても稼ぎやすさは変わります。
トップライバーになることで平均月収が80万~800万以上といわれ海外のトップライバーに至っては月収1億円稼いでいるともいわれています。しかし、初心者ライバーや人気がでない場合は平均月収が数千~数万円といわれています。
以下では公式から収入事情が発表されているライブ配信アプリに焦点を当て解説していきます。
17LIVE(ワンセブンライブ・イチナナ)
17LIVEは、台湾のアーティストが創業し2017年に日本でリリースされたライブ配信アプリです。台湾や日本に限らずアジア各国から米国やインドなど世界に6拠点もち全154地域もの規模で展開しており全世界で約5,000万ものユーザーが利用しています。
国内におけるライブ配信アプリの中でも17LIVEは約70%の市場を占めており収益化の機能は投げ銭や視聴者数、視聴時間などの配信時のさまざまな要素によって運営より換金できるアプリ内ポイントが付与されるかファンクラブ機能「ライバーアーミー」に月額課金して参加することによって収益が得られる仕組みです。
2020年に17LIVEより発表された調査結果によると月6万以上の報酬を得ているライバーは4,206名、月3万以上稼いでいるライバーは6,701名であることが分かりました。調査期間は2020年2月1日~4月30日の間にライブ配信による収益を得た全ライバーが対象となっています。
2020年4月の段階でライバーの参加率が前月から約5倍に増えていることも発表しておりコロナ禍による影響でライブ配信の需要が高まっていることを明らかにしています。
さらに、2020年6月1日~8月31日に同じ調査を行ったところ、月6万以上稼いでいるライバーは8,430名、月3万以上稼いでいるライバーは12,303名と約2倍も上回る結果となりました。このことから17LIVEによって副業として稼ぎ始めているユーザーが増えていることが分かります。
また、17LIVEは認証ライバーと非認証ライバーに分かれ得られる収益も異なるといわれています。認証ライバーの月収は約200万~500万といわれており、その水準も日々上がってきているといわれています。
参考:新型コロナウイルス禍で脚光を浴びる「ライバー」という職業「17 Live」にて、副業の月平均6万円以上を稼ぐ「雇用」を4,206名創出。
参考:“ライバー(ライブ配信者)という職業”が6-8月のコロナ禍においても倍増〜「17LIVE」がライバーの収入に関する調査を実施〜
YouTube Live(ユーチューブライブ)
YouTubeは2005年2月に設立された動画共有プラットフォームですが、ライブ配信機能として2011年4月にYouTube Liveがリリースされました。
数あるライブ配信アプリの中でもYouTube Liveが最もライブ配信の視聴率、配信率が多く認知率も高いことが発表されています。これは全国の15~79歳男女のスマホ所有者を対象とした調査によりYouTube Liveの認知率は53.3%であることが分かりました。
参考:ライブ動画サービス「YouTubeライブ」認知率5割超・視聴率1割超:個人での配信率はどのライブサービスも1%未満
2021年のYouTube Liveのスパチャランキング世界一は意外にも日本のVTuberグループ「ホロライブ」所属の「潤羽るしあ」が挙げられています。1年間のスパチャによる収益が推定2億円以上、YouTubeの手数料が仮に50%としても年間1億円以上の収益を得ているといわれています。あくまでもスパチャに限られた収益なので広告収益やメンバーシップなどの収益を加えるとさらに収益を上げていることが考えられます。
さらにRepezen Foxx(レペゼン フォックス)のDJ社長は2022年12月の収益が1,800万円と明らかにしています。YouTubeの収益が半分以下になったと嘆くYouTuberが多い中、半減して1,800万円であった場合、毎月3,600万円得ることもできたのはないかと語っています。
参考:DJ社長、レペゼンのYouTube収益を公表 収入激減YouTuber相次ぐ中驚きの数字
ただし上記で紹介したのはトップライバーの収入事情です。YouTuberの平均月収は5,000~1万円未満が20.7%と最も多く、次いで1万~5万円未満が25.6%であることが明らかになっています。その中でも月収30万以上稼いでるライバーは5.2%と少なく、副業で気軽に始める分には問題なさそうですが本業として稼ぐのであれば一朝一夕にはいかないことがわかります。
参考:YouTuberの平均月収は「5,000円~1万円未満」が最多
LINE LIVE(ラインライブ)
LINELIVEは、大手企業のLINE株式会社が運営しているライブ配信アプリです。LINEを使用しているユーザーであればすぐに利用できることからユーザー数が約500万人といわれています。元々は芸能人などの有名人のみがライバーとして利用できる仕組みでしたが2016年に一般ユーザーもライバーとして活動及び収益化が可能になりました。
投げ銭や配信スコア、広告や有料配信、サブスクリプションのプレミアムチャンネルの開設など収益化につなげる機能が搭載されており、ライバーへと換金可能なライブ内ポイントのLINEポイントが付与されることで収益を得ることができます。
リリースから翌年の2017年には1ヶ月あたり100万以上ものポイントを稼いだライバーを公開しており過去には1日あたり最高42,271ポイントのボーナス付与も行っています。月平均で1人あたり1,929円は稼いでいることを公開することで「誰でもポイントを獲得しやすいプラットフォーム」としてのアピールを続けていました。しかし、稼ぎやすいライブ配信アプリとしては一筋縄ではいかないとされており収益をメインにしているライバーは他サービスと併用して使用することが多いです。
さらに2023年3月31日にサービス終了が発表され2月28日時点でアプリのインストールもできなくなる予定です。一方で動画共有サービスの「LINE VOOM(ラインブーム)」に2023年中にライブ配信機能を搭載する予定と発表をしています。
参考:「LINE LIVE」および「LINE LIVE-VIEWING」サービス終了のお知らせ
まとめ
公開されている情報に基づいて17LIVEとYouTube Live、LINE LIVEの収入事情について解説していきました。
ライブ配信において投げ銭が基本的な収益の元にはなりますが、投げ銭による還元率もどのライブ配信アプリも公開はされていません。さまざまな収益化機能が搭載されている場合は、投げ銭に限らず収入を得る仕組みはライブ配信ごとに異なります。
そのため、自身の配信スタイルにあったライブ配信アプリを選択することをおすすめします。